【麻雀】ゲーム理論的な話と野望
2015年1月7日 麻雀漫画カイジに出てくるEカードというゲームをご存知でしょうか?
以下は はと日記 様の「カイジ」のEカードについて考えてみる。という記事からの引用です。
Eカードについて有効な戦略を考えられております。
http://ameblo.jp/hatobeam2/entry-10370496856.html
なるほど。もちろん漫画では心理的な読み合いの描写が魅力なのでこの戦略を取るキャラクターがいるとすれば、おそらく負けるでしょう笑
では、『Eカードというゲームは「勝率が均等ではなく、第一戦で奴隷を提示する(25%)のが最も勝率が高い。」ということを知っているプレイヤー(以下A)』に対して、Aの戦略を知っているプレイヤーB(以下B)の最適な戦略ははたして「勝率が均等ではなく、第一戦で奴隷を提示する(25%)のが最も勝率が高い。」であろうか。
大雑把に言えば期待値が一番高い戦略を取るナッシュ均衡と違い、いわゆる対人読みな訳です。
アルゴリズムとしては
1.ランダムでカードを選ぶAI(a)を作る
2.aを相手にしてGAなりで学習させ、期待値的に一番高い戦略を取ることができるAI(b)を作る。
ただし、このbは理論上「第一戦で奴隷を提示する」確率が多くなるはず。
3.bに対して2と同じように学習させてAI(c)を作る。
4.終 わ ら な い
でもカードゲームなんかはそこらへんのメタ変遷が面白かったりするんですよね。
これを麻雀AIにも適応できる部分があるんじゃないかと思ってます。
現実の麻雀でもメンゼンで手作り重視で打つのが強い人、鳴きが上手い人、色々いらっしゃいます。
最速面前聴牌即リーとベタ降りだけでは一定以上までしか勝ち切れないのは、単純に実力の差もありましょうが、上位卓ほど卓囲ってる相手が鳴き麻雀の傾向にあるからだと思われます。
麻雀は対戦に時間がかかり、運に左右されやすいというゲームの性質上こうしたメタ読みの戦略がオカルト派にしか使われていないです。
しかし、AI使って何局も打つなら、こういった要素も取り入れられればもっと面白くなる思ってます。
また、こういう要素や戦略のカスタマイズが誰にでも簡単にできるようになれば、麻雀AIの文化の発展に繋がると考えております。恐らく、麻雀そのものの人口も増えるかと。
長々と書きましたが、戦略読みの要素は強いAIが実現できてからする話であって、麻雀AI界ではまだ時間がかかりそうですね。
しかし、こういった要素は強くなるためだけではなく楽しむためにも必要な要素なので是非取り入れることができればなと思います。
以下は はと日記 様の「カイジ」のEカードについて考えてみる。という記事からの引用です。
Eカードについて有効な戦略を考えられております。
http://ameblo.jp/hatobeam2/entry-10370496856.html
・皇帝側:皇帝カード1枚・市民カード4枚
・奴隷側:奴隷カード1枚・市民カード4枚
各カードの強さ:皇帝>市民>奴隷 ※但し皇帝は奴隷に負ける
皇帝側、奴隷側の順に手持ちのカードから一枚提示し勝敗を決する。この際プレイヤーはカードを目視で確認してから提示しなければならない。
双方の勝利条件は
・皇帝側:皇帝カードと市民をぶつけること(掛け金1に対し報酬1)
・奴隷側:奴隷カードを皇帝カードにぶつけること(掛け金1に対し報酬5)
互いに市民カードで引き分けた場合は双方残されたカードで提示順を逆にして再戦する。プレイヤーは皇帝側と奴隷側を3回ずつプレイし、これを2セット計12試合戦う。
----------------------------------------
双方がカードを全くランダムに出した場合の奴隷側の勝率は
第一戦> 1/25
第二戦> 1/25 ※第二戦勝利(1/16) × 第一戦引分(16/25) = 1/25
第三戦> 1/25 ※第三戦勝利(1/9) × 第一・二戦引分(16/25 × 9/16) = 1/25
第四戦> 1/25 ※第四戦勝利(1/4) × 第一~三戦引分(16/25 × 9/16 × 4/9) = 1/25
第五戦> 1/25 ※第五戦勝利(1/1) × 第一~四戦引分(16/25 × 9/16 × 4/9 × 1/4) = 1/25
計 >5/25 (20%)
となりオッズどおりなんですが、曲者なのは「プレイヤーはカードを目視で確認してから提示しなければならない。」というルール。人間は手元の市民を区別して考えられない為、プレイヤーにとってはカード残数に関わらず皇帝(奴隷)を出すか?出さないか?という事実上の二択になってしまいます。
第一戦> 1/4
第二戦> 1/16 ※第二戦勝利(1/4) × 第一戦引分(1/4) = 1/16
第三戦> 1/64 ※第三戦勝利(1/4) × 第一・二戦引分(1/4 × 1/4) = 1/64
第四戦> 1/256 ※第四戦勝利(1/4) × 第一~三戦引分(1/4 × 1/4 × 1/4) = 1/256
第五戦> 1/256 ※第五戦勝利(1/1) × 第一~四戦引分(1/4 × 1/4 × 1/4 × 1/4) = 1/256
計 >86/256 (33.6%)
ここから導き出されるのは
・人間がカードを見て対戦する限り奴隷側の勝率は見かけより高い。
・勝率が均等ではなく、第一戦で奴隷を提示する(25%)のが最も勝率が高い。
なるほど。もちろん漫画では心理的な読み合いの描写が魅力なのでこの戦略を取るキャラクターがいるとすれば、おそらく負けるでしょう笑
では、『Eカードというゲームは「勝率が均等ではなく、第一戦で奴隷を提示する(25%)のが最も勝率が高い。」ということを知っているプレイヤー(以下A)』に対して、Aの戦略を知っているプレイヤーB(以下B)の最適な戦略ははたして「勝率が均等ではなく、第一戦で奴隷を提示する(25%)のが最も勝率が高い。」であろうか。
大雑把に言えば期待値が一番高い戦略を取るナッシュ均衡と違い、いわゆる対人読みな訳です。
アルゴリズムとしては
1.ランダムでカードを選ぶAI(a)を作る
2.aを相手にしてGAなりで学習させ、期待値的に一番高い戦略を取ることができるAI(b)を作る。
ただし、このbは理論上「第一戦で奴隷を提示する」確率が多くなるはず。
3.bに対して2と同じように学習させてAI(c)を作る。
4.終 わ ら な い
でもカードゲームなんかはそこらへんのメタ変遷が面白かったりするんですよね。
これを麻雀AIにも適応できる部分があるんじゃないかと思ってます。
現実の麻雀でもメンゼンで手作り重視で打つのが強い人、鳴きが上手い人、色々いらっしゃいます。
最速面前聴牌即リーとベタ降りだけでは一定以上までしか勝ち切れないのは、単純に実力の差もありましょうが、上位卓ほど卓囲ってる相手が鳴き麻雀の傾向にあるからだと思われます。
麻雀は対戦に時間がかかり、運に左右されやすいというゲームの性質上こうしたメタ読みの戦略がオカルト派にしか使われていないです。
しかし、AI使って何局も打つなら、こういった要素も取り入れられればもっと面白くなる思ってます。
また、こういう要素や戦略のカスタマイズが誰にでも簡単にできるようになれば、麻雀AIの文化の発展に繋がると考えております。恐らく、麻雀そのものの人口も増えるかと。
長々と書きましたが、戦略読みの要素は強いAIが実現できてからする話であって、麻雀AI界ではまだ時間がかかりそうですね。
しかし、こういった要素は強くなるためだけではなく楽しむためにも必要な要素なので是非取り入れることができればなと思います。
コメント